2016年5月28日土曜日

第16回人環SCD議事メモと感想

<<人環SCD 第16回議事メモ(2016年5月21日)>>

プレゼンター
相模原市環境経済局 産業政策課 渡辺誠治課長
(企業支援の極意)
民間企業で営業の仕事をした後、相模原市に転職(主に経済畑で、農業振興⇢産業振興)


●感想
 農業振興の話は、横浜で地産地消に関わる人間としては個人的に非常に面白かった。相模原の特産である大和芋のブランド化で、せっかく利益が出る特産品があるのに知られていないというギャップにたいして、生産だけでなく流通の体制を整えていて、どう売るか、から逆算してスーパーと農家さんに話を通しているところがポイントなのかなと。
 そこは、環境部局にあって農地の保全に力点がある横浜市の農政とは違うところで、横浜市においては経済的な観点・どう売るか、どう流通まで力を入れられるかは考えていけないところだと思いました。

 何をやるべきか、どうやって思いついているかという質問への回答が印象的でした。相模原市の中小企業向けのロボット導入支援については、解決すべき問題は企業の方と日々話していれば出てくるわけで、それをどう解消させるかは新聞や世の中の動きを見ていれば思いつくものだと。
 あとは組織の中でやりたいことを上手く通すために、予算などの”どうやるか”まで説明できることや、飲み会などの寝技などをうまく使い分けているのだなぁと感じました。
 とはいえ、後日の渡辺さんからのお礼メールでコメントされていたことも印象的でした。いわく、渡辺さんの若いころは予算取りまでやれていたが、私達の世代は予算減少が通常で予算取りややるべきことを考える機会が少ない…。なるほど。


以下、議事メモです。

◯さがみはら野菜の流通支援とブランド化
・相模原は大和芋が特産。換金性が高い野菜で農家さんとしても価値あり。
 しかし、一般市民はどこで買うかわからないという課題があった。
 ⇢農協と県普及員と渡辺さんで戦略を練り、市内の農家さんに生産体制を増やすお願いをしつつ、イトーヨーカドーで売ってもらうようにし、市の広報誌で告知をした。
 ⇢⇢結果、イトーヨーカドーで2kg2500円で販売したら、ドカ売れした。

・直売でなく、”直農”:個人直売所ではなく、複合の販売拠点を整備する。
 ⇢個人直売所は、小さな単位では品数が少なくて人が来ず、店に立つ時間もかかるし、近隣に直売所があれば共食いの可能性がある。
 ⇢共同直売で、自分の強みの野菜を生産販売した方が、強いところで売れるから良いのでないか。品目が多いと生産性が下がる可能性もあるし、時間もかかる。
 ⇢⇢イトーヨーカドーなど(スーパー)での販売をコーディネート
 最初は店の通路でワゴンで、農家さんが立って販売していた
 渡辺さんたちが店に交渉し、15%の利ざやで買い取ってくれた。(⇢通常は6がけである。今は20%。20%が店の取り分。)
 ⇢⇢ポイントは買取制であるこ。横浜のJA直売所と違って農家さんが夕方に売れ残り品を取りに行く必要はない。
 

◯さがみの潤水:ナチュラルウォーター(写真)
 ⇢500mlのペットボトル入りの水を、市内中小企業がボトリングすることで、塩素を全く入れていない”ナチュラルウォーター”と名称を出せる。大企業にボトリングを委託すると一本あたりのコストが100円を超え、遠くに運ぶために塩素も入れる必要があるから。
 ⇢さがみの潤水という名称について、名称を決める際に公募で行った。これは商標登録で問題があるかもなので、3つに案を絞って市民イベントで投票した。
 ⇢デザイン料が足りないため、デザイン事務所や美大でなく普通の女子大と組む工夫をした。

”さがみの潤水”
https://umaimizu.wordpress.com/


◯地元の中小企業との話の中で必要性を感じたロボット導入策。
⇢相模原は企業の生産高が減少し続けており、その打開策の一つとして、中小企業向けにロボット導入の支援をしている
 ⇢市内企業の課題として人手不足や海外に仕事がとられていくことがある。この対策として中小企業にロボットの導入が必要ではないか、ということからロボットセンターを造った。
  ⇢一般的には、ロボットのサプライメーカーは中小企業を相手にしてくれない。理由は、ロットの少なさの割に、カスタマイズの手間が大企業と変わらないため、コスパの悪い中小を相手にしてくれない。
  ⇢ロボット導入の支援をSIC(相模原インキュベーションセンター)で行っており、ロボット導入のコンサルティングをしている。

”さがみはらロボット導入支援センター”
http://www.sic-sagamihara.jp/robot/


●質問
・仕事をしていく中で、自分がやりたいと思うことに対して、上司が反対している場合、どうそれをうまく通すのか
 ⇢熱意よりも戦略。反対されても説得できるよう、予算など理論的に固めていくことが大事。

・様々なプロジェクトを進めるとき、職場の仲間や部下は同じモチベーションで仕事に取り組んでくれるのか?また、そうさせる秘訣は?
 ⇢人によって様々だが、今までは協力的な人が多い。また、同課の職員は個性が強く動物園のよう。職場の仲間とはよく飲みに行き風通しの良い状態を保っている。

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