2014年9月23日火曜日

第8回人環SCD議事録

議事録作成・共有大変遅くなり誠に申し訳ありません。
第10回目前でお恥ずかしい限りですが、第8回議事録アップします。ご確認ください。


第8回 人環SCD議事録
テーマ:『選挙管理委員会事務局の仕事~選挙の裏側大公開~』
発表者:板橋区選挙管理委員会 築澤さん

日時:平成26412日(土)1700
場所:法政大学人間環境学部資料室
参加者:小島教授、亀村、藤井、金子、松谷、森、竹内、古川、谷口、岩渕、葉山

 
【発表内容要旨】

1.組織

○選挙管理委員会は、区長部局外である行政委員会。

○職員は局長含め11人。力仕事が多いため、男性9、女性2と男性職場である。また、(給料の)単価が低いから若手が多い。

○投票用紙は薄色が多いため、選挙の際にまぎれないように「黒じゃん」が選挙管理委員会のユニフォーム。

 
2.業務

○主に、選挙は、投票事務、開票事務、期日前投票からなる。それらに関わる事務のうち、選挙人名簿管理、在外投票管理、ポスターコンクールなど選挙公報を担当

★選挙の目線から見た板橋区
 ・ベットタウンである板橋区は名簿登録人も多い。男22万、女22万 計44万人。(対し  
  て、千代田区43千、品川区30万人、練馬区58万人…)
 ・投票所の設置数(板橋区は13箇所)は公選法により決まるが、期日前投票所の設置数
  は、各自治体が決めることができる。ここにホスピタリティがあらわれる。

○入庁してからの選挙は、計5回。首長の辞任等で、急遽選挙実施が決まる等スケジュールどおりにはいかない。

○選挙時スケジュールは、非常にハード。公告日以降は、毎日朝ミーティング。夏の選挙の時は、5月の連休後から休みが取れない状態。終了後も1ヶ月は残務整理が続く。

★選挙時の困った職員
 ・投開票事務要領をよく読まず、すぐに問い合せてくる。特に年配の職員に多い。
 ・投票事務で、立ち話をしている等、区民からクレームを受ける。
 ・投票用の名簿データをむやみに検索している
 ・庶務担当の職員は、バイトの人を含め投票所の風紀を取り締まる役割があるが、(投 
  票に来た人に)あいさつをしているだけで、何もしない。
 ・始まりと終わりを選挙管理委員会に任せっぱなし

 
ディスカッション①:各自治体の選挙要領
→比較。文量・配り方(紙で配布、データで配布)、更新頻度等それぞれ違いがあった。

 
ディスカッション②:選挙時、ヒヤッとしたこと
→夫が妻の投票券で投票してしまった。
→早朝の投票所鍵開け当番が一人の職員に任されている。
→立会人が寝坊。

 
3.選挙管理事務担当として
○とにかくミスのないように、何事もなく、普通に終わらせることの難しさ。

○盛り上がるイベントではないが、非常に大きなイベントであり、厳しくもおもしろいと思える業務である。

 

【質疑応答】

Q投票所担当の決め方は?
A庶務担当が引き抜く場合もあれば、各部で人数を割り振り、推薦してもらうこともあり、各自治体によっても異なる

 
Q選挙の電子化についてはどう考えるか。
A本人確認ができないなど、公選法上、クリアできない問題がある。ただ、海外では、電子化に事例あるが、データ消える、ハッキングされる可能性などもあって、日本ではまだ難しいのではないか。

 
Q啓発で工夫している点は?
A都知事選も、自治事務として区も啓発活動をする。(公選法6条)
啓発グッズは、ボールペン、ウェットティッシュ、マスクなど予算の範囲内で色々作れるが、築澤さんの担当時は、ボランティアさんの要望が高いウェットティッシュにした。
そのほか、キャンペーンカーで宣伝したり、中学生が啓発活動をして、新聞に載ったり、
色々できる啓発のおもしろみというものがある。

 (小島先生)選挙の唯一の政策的部分が啓発である。シチズンシップ教育を選挙事務を通してできる。選挙管理事務を見学させるのは良い経験になるのでは。

(谷口)横浜市長選では、横浜国大の学生が啓発したり、(ドヤ街の多い)寿町で、「手紙は来なくても投票はできる」という、いこっとプロジェクトによって注目を集めた。

 
Q選挙ごとの違いや特色は?

・国政選挙…他の選挙とは、投票率が違う(高い)。在外選挙制度があるため、さらに多くなる。国からの委託費が出る。事務は面倒だがおいしい選挙。
・東京都知事選…一票だけなので、事務量は少ない。ただし、辞任等があり、任期満了時じゃない選挙はやっかい。辞任してから40日以内に選挙を行わなければならない。
・区議会議員選挙…候補者が多く、事務が煩雑。一票の価値が重く、応援者の目など、投票時の緊張感が違う。

 
Q投票・開票事務は委託などできないか。
A不正の恐れがあるため、職員でないとできないことになっている。分類計算など単純作業だけは委託している。

 
Q投票率低いことへのクレームはあるか。投票率は年々下がっているか。
A市民からたまにクレームがある。投票率は、近年は30%があたり前になってきてしまっている。

 
(小島先生)
・住民投票制度について~

 常設型の住民投票条例ある自治体はあるが、条例つくっても実際には自治体はやる気はない。(合併時の投票を除いて)臨床例がなく、初めてやるところはリスクがあるし、単独でやるにはコストがかかりすぎる。やるとすれば、通常の選挙にくっつける手法であろう。
 都道府県レベルでは、市町村に依頼しなければならないため、条例つくる時から市町村の了承を得なければならず、広域的ガバメントのありかたの問題でもある。

(築澤)住民投票を実施するとしたら、制度設計から行わなければならない。実際には、公職選挙法に準じた形でマニュアルを作るのだろうが、一から作るのは大変である。

問責:葉山
 選挙は、投票事務や開票事務など、ほとんどのSCDメンバー(4月12日参加)が業務として関わった経験があり身近なテーマだったので、質疑も活発になったかと思います。築澤さんから現場のリアルな話が聞け、もう少し真面目に選挙事務に取り組もうと思いました!準備期間が少ない中、お疲れ様でした。改めまして議事録遅くなり大変申し訳ありませんでした。

2014年9月17日水曜日

第9回人環SCD議事録

随分遅くなってしまってすみません!
前回、第9回SCDの議事録をアップします。

2014年7月12日(土)
第9回議事録

開催日:2014年7月12日(土) 15:00~

場所:ボアソ24階 人環資料室

参加者:岩淵、加藤、杉山、谷口、知久、藤井、松谷、森、亀村

発表者:神奈川県 茅ケ崎市役所 秘書広報課 松谷絵美子

テーマ:茅ヶ崎市の広報

1. 茅ヶ崎市の概要
 人口237,607人(H26.7.1現在)。人口は増加傾向にある。
茅ヶ崎と言えばサザンオールスターズが有名であるが(昨年、桑田佳祐さんに市民栄誉賞を授与した)、市役所職員のアロハシャツ着用をいち早く始めたのは茅ヶ崎市(環境省のスーパークールビズよりも先)というアピールポイントもある。また、現在ホノルル市と姉妹都市協定を結ぼうとしている。


2. 秘書広報課について
 秘書調査担当と広報担当に分かれていて、松谷さんは広報担当のラジオ・ケーブルテレビ担当。広報担当はあらゆる媒体(3に後述)を活用して広報を行うほか、庁内の総合案内窓口業務も行う。また市内の公共施設の見学会の企画(市内自治会等から要望を受けツアーを組んだりする)や、ケーブルテレビの広報番組から生まれたゆるキャラ「えぼし麻呂&ミーナ」の使用承認申請の受付業務等も行っている。えぼし麻呂の使用承認については、無料で行っているが、使用に際しては色の比率を守ってもらう等の決まりがある(熊本県のくまモンと同様)。


3. 茅ヶ崎市の広報媒体
 茅ヶ崎市の広報媒体を列挙すると、

 ・紙(広報ちがさき、市政情報紙、英字新聞、こども広報)
・メディア(ケーブルテレビ、FMラジオ、tvkデータ放送)
・電子(ホームページ、ツイッター、メール配信、神奈中バスデジタルサイネージ)
・その他(広報掲示板、庁内放送、防災行政用無線、記者発表)

がある。Facebookもやりたいけれど、情報セキュリティ面の課題があり今はまだやっていない。
 松谷さんはケーブルテレビの担当であり、秘書広報課としてはケーブルテレビも市のイベントの放送のみにとどまらず、様々な番組を放送している。

<番組例>
 ・茅ケ崎の企業のもつ技術を紹介する番組
 ・市民に市歌を歌ってもらう番組
 ・地域のおじいちゃんに密着する番組 等

 ケーブルテレビの場合、2分30秒の番組のための取材に1時間はかけている。取材当日には良い面でも悪い面でも予期せぬことが起こるのが醍醐味である。

 またイベント情報と災害情報のそれぞれについて、どの何の媒体から情報を得たかの調査を行っているが、イベント情報の入手手段としては広報ちがさきとホームページが多いのに対して、災害情報の入手手段としては防災行政用無線とホームページが多いというという特徴がある。災害情報の入手手段調査には、ツイッターという回答も僅かながら挙がっている。


4. ケーブルテレビが方送されるまで
 以下の手順で準備が行われる。

 ①ネタの決定
 ②担当課との打合せ
 ③取材先への連絡
 ④委託業者との打合せ(目安:取材2週間前)
 ⑤取材(放送1週間前までに終了)
 ⑥番組の原稿確認(放送5日前)
 ⑦番組の最終確認(放送前日)
 ⑧放送開始
 ※放送終了後、YouTubeで動画配信

 ケーブルテレビについては、放送の依頼の少ないこともあり、しかし毎週放送しなければならないので、ネタ探しが大変な場面がある。
 広報紙も①~⑧の手順と大体同様に作られているが、ケーブルテレビも広報紙もどちらも「放送に載ってしまう、文字として残ってしまう」ということもあり、「ミスを出さないこと!」という鉄則を守るために厳しいチェックを行っているので、それが大変な点である。


5.その他
 今は広報媒体の広報も必要な時代であり、広報紙から多媒体への誘導等も重要となっている。
 「広報は知らせることも重要だけど、行動を起こしたいと思わせることも重要だから、そういう戦略も必要。」という話がある。
 また小島先生より、決まったことを発信するだけではなく、「これからの市政施策をこう考えている」というものを出すことによって、市民にその内容について考えてもらうきっかけとするような広報の使い方もある(市民への問いかけのような広報)。アメリカのホワイトハウスやヨーロッパでは、そういう広報の使い方もしている。広報は動脈、広聴は静脈、市長は心臓、この三位一体が重要である、等のコメントがあった。


【次回SCDについて】
10月18日(土) 16:00~18:30
発表者:古河市役所 市民税課 知久さん

次回のSCDは二部構成とし、前半(16:00~17:00くらい)で今後のSCDの内容やパターンについて話し合う時間を持ち、後半(17:00~18:30くらい)で知久さんの発表とディスカッションを行う予定です。また、発表テーマについては「自治体職員が住民と接すること」と設定して、皆で話し合うのがいいのではないかという案が出されました。